人気作家・伊坂幸太郎が複雑で多様化する未成年犯罪をテーマに描く!
読み終えた時、あなたは何を感じるか?
第3章 事件の真相が明らかに?未成年が起こした悲惨な事故の背景とは?
家裁調査官は全ての真実に直面した時、何を思うのか?
今回は、前回に引き続き「サブマリン」のあらすじとネタバレです。
この第3章がラストとなります。
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「お前、あの時の犯人を撥ねようとしたんだろ?」
武藤は唖然としました。
棚岡佑真の友達が事故によって死んだことは分かっていました。
しかし、そこから復讐に思考がいかなかったのです。
普通に考えれば違和感はないですが、その犯人・若林を個人的に武藤と陣内は知っているため、そこには疎かったのかもしれません。
陣内の言葉を聞き、棚岡少年は激しく動揺しました。
「あの時の犯人はお前が事故を起こした現場をいつも歩いていた。それをどうやって知ったのかわからないが、復讐を思い立ったのか?」
「事故で死んだ友達に、その時の犯人は毎年手紙を書いていた。この前友達の家に行った時、手紙を見て住所を知った。」
そいうことか。
武藤はある意味納得しました。
「で、お前はどっちなんだ?住所を知って復讐を思いついたのか、前から復讐のことを考えていたのか?」
陣内は聞きました。
「許せるわけがない。どうしてダメなんだ?人を撥ねて殺したやつを撥ねたらどうしてダメなんだ?」
武藤はなんとも言えない気持ちになります。
それは本当に悪いことなのか?
友達を理不尽に殺され、苦悩している棚岡少年の気持ちは分かるのに。
復讐が思わぬ形に?
「でもよ、免許を持っていないとは言え運転には慣れていたんだろ?どうして間違って他人を撥ねたんだ?」
陣内は率直に聞きました。
「それは・・・」
「犬だろ?あの時、犬が飛び出してきた。そこで運転を誤って歩行者を撥ねた。違うか?」
そういうことか。
武藤は、目撃者の情報を思い出しました。
犬を連れていた目撃者が証言に非協力的だという情報にも、納得がいきます。
のちに分かったことですが、事故の目撃者は自分の犬が飛び出したせいで事故が起きたと思い、怖くて言い出せなかったとのことでした。
棚岡少年が起こした事故はまさかの結末に?
棚岡少年が起こした事故はまさかの結末に 犯罪を事前に予測する少年の推理が思わぬところに繋がる?
武藤は、事故の真相にたどり着きます。
棚岡少年は、自分の友達を死なせた人物を撥ねようとしたが、直前で我に返り出来ず、そこに運悪く犬が飛び出してきて事故が起きてしまったのでした。
棚岡少年の事故の原因が分かったあと、武藤はあるトラブルに巻き込まれて入院します。
そこに、小山田俊が駆けつけました。
「武藤さん、災難だったね。人に刺されることなんて滅多にないよ。」
俊は、呑気にみかんを食べていました。
ただお見舞いにきた感じではなかったので、「何かあった?」武藤は聞きました。
「ああ、武藤さんが担当している少年、どうなるの?」
「詳しいことは言えないよ。そして裁量を決めるのは裁判官だ。」
「そうか。あのさ、これを見てくれる?」
俊は一枚の紙を見せました。
そこには、通販サイトの履歴がプリントされています。
「これは、ある人のネットの情報。以前僕は犯罪を起こしそうな人が分かると言ったでしょ?僕の勘だと、この人は結構やばいよ。」
そこには、ロープや結束バンド、過激なタイトルの本やDVDの購入履歴が写っていました。
「そうなの?でもこの体じゃ止めに行けないよ?」
武藤は答えます。
「いや、この人は事件を起こさない。」
武藤は不思議に思いました。
さっき危ないと言ったはずじゃ?
「正確には、起こせない?かな。」
「どうして?」
「それは、武藤さんも知ってるでしょ?」
「知らないよ。」
「少年が起こした事故。それでこの危なっかしい人は死んじゃったんだ。」
まさかの結末 全てが繋がった時、あなたはどう思う?
3章にわたって「サブマリン」のあらすじとネタバレをお届けしました。
クライマックスには私も驚愕しました。
未成年が悲惨な事故を起こした。
多くの人はニュースや新聞を見てその程度の解釈でしょうが、こんな結末があるとは夢にも思わないはずです。
現実の世界でもこんなことがあるかもしれませんね。
棚岡少年が起こした事故の最初の目的は復讐ですが、思わぬ形で関係のない人間を巻き込みます。
その人間が実は危なっかしい人だった、だからその少年は良いことをした、と俊は言います。
まぁ、これはあくまでも俊の予想なので、真偽は分かりませんが笑
この作品では少年犯罪と法律、そして人間の葛藤や世の中のジレンマが描かれた作品で、個人的には大満足でした。
思わぬ形で様々な事柄が繋がる様は、さすが人気作家だと感じました。
詳しくは触れられていない出来事もあるので、ぜひ「サブマリン」を読んでみてくださいね。
私は個人的にこういった白黒つけられないお話が大好きなので笑
伊坂幸太郎さんの作品には名作がたくさんあります。
興味があれば手に取ってみてください。
ありがとうございました。
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