気功は、中医学の中の重要な一分野を占める貴重な遺産です。
一般の方々では「気功」についてある種の超能力的なものを想像しがちですが、通常の気功師にはその様なものはなく、ただ、十分に訓練、鍛錬を積み重ね“内気”を十分に溜め、外に向かってエネルギーを出すことのできる気功もあります。
気功療法は自然療法の一つであり、自身の鍛練によるものです。
見につけることで、各臓器の活性化と新陳代謝の秩序を整え身体の均衡を調和、安定、身体強壮、調整、また、潜在能力の発揮などに効果を与えます。
これらは現代社会の発展が必要とする大変重要なことです。
ここでは、気功の呼吸法を細かく解説!日常でも生かせる?ということについてご紹介します。
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三調とは?
気功には「三調」と呼ばれる言葉があります。
三調とは、調身、調心、調息のことで、形・気・意 または精・気・神と呼んでいます。
調心を中心とする三調を通じて、心身のバランスを最良の状態にコントロールします。
- 調身:気功の形はすべての身体をリラックスさせ、経路という気の通り道を気が良く通れるようにします
- 調息:気功の呼吸は、一方は放しょうと入静の手段だが、もう一方では、体の内気という生命エネルギーを蓄えていきます。
- 調心:気功の意識の調整は、意識を使うよりも、意識を除き、集中させるよりもリラックスさせること。
識神の働きを抑えて、元神の働きを活発化させます。
以上の中で呼吸法というものは、気を巡らせたりするための誘導手段であるが、手足の動きと一体なので、単純な呼吸法を練習することはありません。
しかし基本的な呼吸法を身に付けないと、気の巡りを誘導することができないので、前もって身に付ける必要が有ります。
その呼吸法について今から解説していきます。
そこで、基本的な呼吸の仕方を練習しておきましょう。
<順式腹式呼吸法>
1. 空気が流れ込みます
第一段階の練習は、下腹を膨らませると空気が流れ込んでくることを体感する練習です。
- 座布団か椅子に座ります。
- 右手の人差し指で右の小鼻(鼻翼)を押さえ鼻孔を閉じます。(左の鼻孔だけを空けておきます)
- 軽く口を閉じてから下腹を膨らませていきます。その時に空気が下腹に流れ込んでいくのを体感します。決して鼻で吸い入れる事はしないで、下腹をポンプのようにして、それを膨らませるので、ひとりでに空気が流れ込むイメージを持ちます。
- 次に、力を抜くと、下腹が元に戻っていき、空気がひとりでに抜けていくようにし、それからもう一度下腹を膨らませるということを反復して続けていきます。
2、空気が漏れ出ていきます
第二段階は、下腹を押し込んでいくと空気は出ていくということを体感する練習です。
- 次に下腹を膨らませた後、押さえる小鼻(鼻翼)を左側に替え、下腹が元に戻ったら、そこからさらに下腹を奥に押し込んでいきます。その時空気がさらに出ていくのを体感するようにします。決して鼻で吐き出すようにしないで、首の力を抜いて、
首辺りから空気が漏れ出るような感じにします。下腹をポンプのようにして、それをへこましたらひとりでに空気が漏れていくことをイメージします。 - 次に、下腹の力を抜いて、下腹が元に戻ってきて、空気がひとりでに入ってくるようにする。それから再び下腹を押さえていく。これを継続していきます。
3、空気が出入りします
第三段階の練習は、下腹の動きによって空気が出入りするということを体感する練習です。
- しばらく練習したあと、下腹を押し込んだところで押さえていた指を離し、両鼻孔を空け、下腹を膨らませたりへこませたりし、その下腹の動きにより、空気の出入りを作っていきます。
- 下腹の動きは目いっぱいにはしないで、八割にして余裕を残します。
4、第四段階は空気が口から出て行くようにする練習です。
- 呼吸を続けながら、空気を出すときに唇を軽く開けて、空気が口の奥から口の中を通って漏れ出ていくようにします。
- 空気が入ってくるときは、唇を軽く閉じれば鼻から流れるようにして、唇を空けたままにすれば、口から流れ込んできます。
- どちらにせよ口や鼻で吸い入れるわけではないので、下腹の中に流れ込んでくる感覚を大事にします。
5、 第五段階は、出て行く空気に抵抗を加える練習です。
- 呼吸を続けながら、口から空気が出ていく時、歯の裏や上顎などを上手く使って、出てゆく空気に抵抗を加えるようにします。空気がゆっくり流れるようにして、口に空気を蓄えた後、下腹を押し込む圧力で空気がでるようにします。
- 呼吸を続けながら、空気が出ていく時の時間の長さを数えていきます。
- 男なら、10~15秒、女なら7~12秒くらいが良いでしょう。ゆっくりと楽に、コンスタントに行います。
<逆式腹式呼吸法>
気功で用いる呼吸法は、気を巡らせるための呼吸法は、数パターンあるが、自然界(宇宙)の気を体内に取り入れて、その気を体内に取り入れる場合、逆式腹式呼吸法という方法で、気を丹田に吐き下ろす必要があります。
つまり、気力、体力を充実させる場合、逆式腹式呼吸法によって、吐き下ろすという技が必要です。
- 二つ折にした座敷布団か椅子に座ります。
- 片手を胸板に、片手を下腹に充てるようにします。(どちらに手が胸板でもよいです)
- 普通の呼吸のまま掌で胸板と下脇の動きを調べてみましょう。
- 胸の中に大きく息を吸い入れ、その取り入れた空気を下腹の中に吐き降していきます。
実際の空気は口から出ていくわけですが、空気を下腹の中に押し入れていくようにしましょう。
その後、下腹内の空気を胸の中に吸い上げ、再び下腹の中に吐き降ろし、呼吸を続けましょう。
吐き降ろしていくときは下腹が膨らみ、吸い上げてくる時は、下腹が凹んで、胸板が膨らみます。
空気を吐き出す時に下腹が膨れますので逆式呼吸と呼ばれますが、順式の時のように下腹を動かすのではなく、空気を下腹の中に押し入れていくことにより、その圧力で下腹が中から押し出されていくようにします。
この呼吸を身に付けると、体力や気力が落ちてきた時に、気を丹田に降ろして丹田の力を強くして、元気を回復させていくことができます。
丹田力を強化することは、気功を身に付けるうえでとても重要な基本となります。
この呼吸法を身に付ければ、色々な動きに応用ができ、気功の効果がよくあらわれるようなり、健康的で強い体になっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自己の健康を重視すればするほど自身の努力が必要で、医学も治療から予防へと転換します。
気功の三要素に調身、調心、調息というのがあり、呼吸を調えるという課題は気功にとって大事な要素なのですが、だからと言って、呼吸法の練習をメインに練功することは余りないんです。
また、一回だけ長い呼吸をしても意味がないので、ゆっくりとラクに、コンスタントに続けられるように練習しましょう。
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