気功法とは、福建省にある中国武術のメッカとして有名な少林寺に伝わるものです。
気功法は、静と動が一体となった練功法で、禅の境地に基づいてつくられていて、他には類を見ない独特な修練といえます。
全身の気の流れを整え、手指から出る気の力を強化し、内気外放(身体の中の気を外に投射すること)を可能にします。
健康法としてはもちろん、気功治療や武術的な気の力を強化したい方にも効果的な鍛錬です。
ここでは、気功の実践トレーニング方法を解説!指気功と立禅についてご紹介したいと思います。
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指回し気功法
指回し気功をする目的
指先から気がでてくる感覚を鍛えます。
繰り返し行うことで、指先の感覚が細かく研ぎ澄まされて効きます。
毎日ルーティンを欠かさず行うと効果が期待できます。
手や指の感覚が不器用な人がやると特に効果が期待でき、だんだん器用になっていきます。
まず、すべての指先を合わせて、掌の間に丸い気のボールをイメージします。
そして、親指を、指同士が触れないようにして重なり合った状態にして、右手の親指の指先が時計の針の回る方向に右回りをして回転させます。
それにつれて、左手の親指の先は、指先が時計の針と反対方向に左回りをさせます。
指が触れ合わないように気を付けて行います。
呼吸のイメージ
気は、右ねじと同じように右回転すると進行するという特徴があります。
なので、右手の親指を右回転させますと、気は右手の親指から左手の親指の方向に流れ出します。
この時、呼吸のイメージを、この気の流れに同調させて息を吸い込む時、左親指から、気とともに息を吸い込むとイメージします。
そして息を吐くとき、右親指から吐くようにイメージします。
呼吸は、自然に吸って、のどを開きハーっと吐き、息が止まったらそのまま小さくフーっと吐く、最後にフッフッフーと吐き出します。
息を吐き切る時に肛門を閉めることを必ず行います。
イメージを中心とした動功を交互に繰り返す
5呼吸の間、集中して、指回し、呼吸、気のイメージを同調させて行い、終わったら、親指の先を1.2cm離して向かい合わせ、右親指から左親指に向かう気の流れを感じるようにして、静かに3呼吸程度、身体の内を見る練習をします。
上手くなると、左親指から流れこんで左腕の中を通り、胸の気の中枢である中丹田に流入して広がります。
このように目に見える動作を行った後に、イメージを中心とした動功を交互に繰り返すことが気功法の上達の秘訣です。
今度は先ほどと逆に、右親指を左回りにして、気を吸い込み、左親指を右回りにして気を吐き出す訓練をします。
気のボールの作り方
気のボールを作る目的
気の存在を自分で実践して確かめます。
気がある空間の中に蓄えられているイメージをつかむことができます。
まず、両手の指先を拇指と拇指、人差し指と人差し指を全部くっつけて、手の間に野球ボールを入れているような形を作ります。
そして、次にゆっくり指先を5cm離して向かいあわせます。
拇指の先に軽く意識を集中して、指先をゆっくり動かすと、指先にむずむずしたかんじや、指先が見えないゴムでつながった感じが生じてきます。
これを、人差し指、中指、薬指、小指を続けてやっていき、2本づつ、3本ずつ5本づつとやっていって全部の指先が繋がった感覚を強化していきます。
掌重要中心部の労宮に意識を集中
次に片手の拇指と小指を近づけるように動かすと、掌重要中心部の労宮という部位に軽く緊張感やむずむずした感じが生じてきます。
この感覚を頼りに、労宮に意識を集中して、左右の労宮を気でつなぎます。
手や指をゆっくり動かすことによって、つながった感覚をさらに強化していきます。
指先や労宮をつないでいる意識をふっとはずすと、両手の間に、見えない気のボールが感じられるようになります。
立禅
立禅とはなにか
日本で一般的に行われている禅は座って行う「座禅」であるが、中国の武術には立って禅を組む「立禅」というものがあります。
立禅を組むことにより、人は自分の持っている内的な力をより強力にすることがで、瞬間的な爆発力を養成できます。
この内部から発する瞬間的な爆発力は、一般に「気」と呼ばれています。
立禅は気攻法としてこの気を養うために行われています。
立禅の方法
- 歩幅は肩幅よりやや広めで(自然体)。
- 手は太い木を抱いているような感じで前にあげます。
- 目の位置はぼんやり前方をみます(あまり一点を凝視しないようにします)。
- 足はかかとを少し上げ、膝を内側に少し折り曲げます。
- 腰も少し落とします。
- 最初は10~15分できればいいほうです。稽古を積んでいくうちに、30~1時間と時間をのばします。
一度形を決めたら、やたらに手・足・腰を動かさないで、じっと立ちます。
立禅の効果
立禅をすると、疲労物質が筋肉に溜まってきて筋肉の疲れや痛みとして自覚されます。
疲労した筋肉にさらに収縮を保つよう頑張れ、頑張れと脳の運動中枢から指令を送り続ける訓練をすることになります。
この訓練は指令をだす脳の神経細胞から、脊髄、そして命令のよって動く筋肉までの指令系を鍛えることになります。
神経の情報をよく通すことになります。
このことを「疎通現象」と呼びます。
神経系を賦活し脳を覚醒
足からの刺激が感覚神経からa.b神経系を賦活し脳を覚醒させます。
A10神経は、脳幹の中脳に端を発します。
ここから原始的な意欲を作る、視床下部に入り、次に大脳の中でも古い起源をもつ情を生み出す動物の脳である大脳辺縁系に神経を伸ばします。
さらにA10神経は、知の脳である大脳新皮質の内窩皮質といいます。
人間にとって最高の快感を感じさせる、部位にはっていきます。
さらにA10神経は記憶、学習に関わる海馬に側枝を伸ばし、生きる意欲に関係していると言われている大脳辺縁系の側坐核にも神経を伸ばします。
そして最後にA10は、人間の創造力を担当する前頭連合野にも広く分布していきます。
まとめ
気功を実践する上で、特に毎日のルーティンに取り込んで、継続してもらいたいものを選んでみました。
指気功は指の感覚をするどくするのに役に立ち、気のボールは、気の流れが、どのようになっているのかをイメージできるようになります。
立禅は、足腰の鍛錬、気を丹田に蓄積させる、脳機能を高めるなどの効果が期待できます。
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